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しまなみ海中散歩

生口島瀬戸田町の「おんぞう」こと藤田れおさんのコラム。

瀬戸田の「奥の細道」にて

一週間ほど前、懐かしい道を歩いた。
法然寺から瀬戸田港までの、細い小道。
商店街から少しだけそれた道。

昔はよくその道で遊んでいたから、
今はほとんど通らないから、
住んでいるのに、「懐かしい」という修飾語を
つける道になってしまった。

思い出すのは幼稚園の頃におばあちゃんに
散歩で瀬戸田港まで連れて行ってもらってた頃。

瀬戸田港では二階で遊んだり、
時々100円を入れて双眼鏡をのぞかせてもらった。
見るのは決まって大三島のタンクに描かれた、赤い鳥。
双眼鏡が壊れてお金を入れなくても
遠くを覗ける様になったときは毎日散歩をせがんだ。

灰色の思い出もあるけれど、先日はそんな幼少の頃の、
この道に置いてきた記憶を思い出しながら歩いた。

人と出会ったら、知らない人でも
挨拶しないと通りすごすことが
できないような気分になる細道。

このあいだは人には出会わなかったけれど、
猫も歩く速さを落として通り過ぎた。

諸行無常、ビルドアンドスクラップのスパンが
短くなりつつある世の中で、ほこりにうずもれつつある
寂しさを残しながらも、幼少の頃の記憶とさほど変わりなく
残っている道があることが嬉しく感じた。

変わることで楽しいこともあるけれど、
変わらないことで楽しいときもありますね。

■オマケ
写真はそんな道で出会った、逃げた方の猫です(笑)

記事作成 2006年11月18日

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